霊園だより NO.102
霊園だより2015.09.25
かぎりなく透明な青空。秋がもたらした実りの時。黄金色に色づき豊かに実った稲。自然が織りなす絶妙な業(わざ)に目を奪われます。廻向という言葉は本来「まわし向ける」ということで日頃の善い行いによって自分が得たもの(功徳)を他の人に施す事を意味します。
ところが世の中はどうでしょう。人の関係は疎遠になり、自分中心の生き方が広まっています。しかし、この世は自分一人で成り立っているものではありません。
広い世界を見渡してみても多数の命あるものが自分を取りまいています。社会においても人々が協力し知らずながらも関係を持ち生きています。この中で、悲しみ苦しみを一人で抱え込む事や、また喜びや楽しみを一人きりで味わって満足する事程つまらない事は、ありません。悲しみ苦しみは人に聞いてもらえば心の解決も早く、喜びや楽しみは人と分かち合う事により何倍にも膨らみます。
さらに私達が世の人の為に善い行いをする事から得られた功徳を他の人々と共に分かち合い、喜び合えたらどんなに嬉しい事でしょう。
すなわち、これが廻向の姿です。
何時も廻向という言葉を心に留めておいて下さい。